ISBN:4575234249 単行本 荻原 浩 双葉社 2001/10 ¥2,100

38歳にもなって女房も子どももいない。住む家もない。金もない。あるのは320万円の借金と前科だけの男が、死を覚悟した時に訪れた誘拐のチャンス。たっぷり笑え、しみじみ涙するノンストップユーモアクライムストーリー。


あはは〜。面白かった。
コミックノヴェルとはよく言ったもので小説が既にギャグ漫画の世界であるから、ページ数がかさんでもまったくもって気にならない。荻原さんの書くヤクザってなんだかいいよね。「なかよし小鳩組」のときもそうだったけれど。一昔前で義理と人情を頑なに守ってる面白おかしいヤクザ。

荻原さんの本を数冊読んだけれど、なんかこう切なくて切なくて仕方ないもの(「明日の記憶」やら「僕達の戦争」など)
とこういうリアリティーなんてなんのその、キャラがたってる主人公たちのドタバタコメディ。そして最後はホロっと泣かすものかどちらかなんだろうなぁ。

こうぶっちゃけて言うと荻原さんのキャラ設定が強烈というか、古典的すぎて発言やら何やらがすごく寒いと思うのは私だけかなぁ・・・伝助が暴力団の父を「ぼー なんとか」とかしか覚えていなかったり・・・・
いやすごく面白いんだけれど、なんとなくあざといというか、あ、このギャグとかカンチガイから作るロジカルとかすごく寒い!寒いよ!ひとむかし前だよ!と。(寅さんとか釣りバカとかそのあたりの邦画のコメディぷりにすごくギャグの感覚が近い。)

こういう炭酸を飲んだあとのような清清しい読了感のものは最近の本ではなかなかないから、疲れたときに読みたくなる一冊であるけどねぇ・・・

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