Timeless

2006年1月29日 音楽 コメント (2)
Sergio Mendes CD Concord 2006/02/14 ¥2,282

ブラジリアンの大御所が10年ぶりに出すアルバムはヒップホップ、ブラック・アイド・ピーズとのクロスオーバー。
参加アーティストがなんといってもすごい。スティーヴィー・ワンダー 、ジョン・レジェンド、ジル・スコット、エリカ・バドゥ、ジャスティン・ティンバーレイク ・・・・

私はヒップホップって正直苦手でよくわからないんだけど、アルバムを聞いたら、素敵な曲がわんさか隠れてる。
ゴメンナサイ。多分このアルバムの売りはきっとブラック・アイド・ピーズですが、私の好きな曲は彼の香りのしない曲。
スティービーワンダーがハーモニカで参加した3曲目「BERIMBAU」と13曲目「LAMENTO」が最高にグルーヴィーなブラジリアンでお勧め!!
セルジオメンデスって誰よ??というセルメン初心者は1曲目のマシュケナダを。きっと絶対知ってるから。

★試聴はこちら
http://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A020262/VICP-63281.html

優しい音楽

2006年1月30日 読書
ISBN:4575235202 単行本 瀬尾 まいこ 双葉社 2005/04 ¥1,260

なんとなーくサラサラした優しい女性作家の話って自分に合わない気がして避けていた。
最初に江國香織さんを手にとったのって、もう大分前なんだけど起こってる事柄は結構重大な事ばかりなのに、ゆったりとした情景描写や意外に動じない登場人物たちにイライラした。
もっと人間って感情の振れ幅が大きいでしょう?と。
あー、でも考えてみれば、事件を鋭く切り込むことばかりを読者は求めてるわけじゃなくて、そういう風に優しく感じていく物語もあるんだろうね。でも私は小説にエンタテイメントとか激しく揺さぶられる感情を求めていたので、私の求めるところはこの場所にないんだなぁと。

最近、メディアでも瀬尾さんが露出したりして人気があがってきていたけど「あぁ、きっと何も起こらない淡々とした日常」のお話なんだろうなぁと思っていた。だけど本棚に一冊ポツンと置かれたこの本がとても読んで欲しそうに鎮座していたので思わず手にとってしまった。
うん。ありがとう。とってもいい気分になりました。
起こってることはすごく奇抜でありえない設定だし、周囲の人間も最初ブツブツいいつつ馴染んでいってしまってる。
読んでる私も「愛人に娘を預ける馬鹿男」だとか、「収集癖のある女の子がホームレスのおじさんを拾ってくる」ことに驚きつつも、悪いことばかりじゃないのね。などと優しい気持ちになれる。本当ならば殺傷沙汰だからね!?

標題の「優しい音楽」という話がすごく私は気に入って、よく分からない感情のまま女の子に追いかけられる主人公。
この主人公がすごく優しくて彼女が自分を追いかけてる理由を判ってしまったならば、もう少し怒ったり嫉妬したりするだろうにね。彼女たちの気持ちを尊重して、彼女の想うように行動しつづける。

この話たちは現代の「大人の事情」をおとぎ話に変えたものだと思う。
だって人間ってもっと悪意に満ち溢れてることが多いし、こんなに何もかもが上手くゆくことがない。
そう考えると、普通危険な出来事や人間たちの感情にもパズルのピースがはまるように納得いくはず。
少しだけ人を信じたくなった。
ISBN:4062131250 単行本 石田 衣良 講談社 2005/11/15 ¥1,575

石田衣良が贈る、美しくちいさな24の物語。
恋愛、小説、そして母との別れ……。石田衣良が二年をかけて大切に書きつづった掌編小説集。物語を味わいながら人気作家の素顔を垣間みる特別な一冊。


ごめん。なんか読むの辛かった。石田衣良にしてはあんまりだし。
暴言承知で言わせて貰えば、念願かなって今年直木賞とった東野さんとか、毎回ノミネートで逃してる伊坂さんのほうが、すごい高いクオリティを保ってると想う。4TEENは私は大好きだけれど、少し早かった?最近ロシアンルーレットすぎて・・・。
私は若くて才能のある作家にどんどん世に出て欲しいと願っているので、15歳受賞なんて聞くとワクワクしてしまう。
しかしその後、本を量産してクオリティが下がっていくのは悲しいので「ある一定のライン」をコンスタンスに保ち続けてる作家に賞を上げて欲しくなった。
もしかしたら彼はすごい魅力のあるキャラをじっくり長編で書いていくほうが向いてるのかもしれないなぁ・・・

ただ一篇、石田さんのお母さんのことを書いた「ナンバーズ」という話。
石田さんの母親は脳出血で倒れてICUに入った。ICUの入り口のホワイトボードにはいくつかのナンバーが記されているという話。タイムリーすぎて胸が痛くなった。
少し前、私の叔父が脳出血で倒れた。出血した場所が悪く手の施しようがなかったので、手術をすることができなくて、よくもっても一週間。もう目が覚めることはないだろうと言われた。
目の前に寝ている叔父は外から来た私よりも、暖かい手をして、呼吸をして胸も動いている。なのに目を開けてくれない。
病院にお見舞いにいくということは、その人の快気を祝うことが普通だ。
しかしもう病院にいる親戚一同は、死を待つためにここにいるのだ。
何の為に自分はここにいるんだろう?元気になって欲しいのにもう二度と目を覚ますことはない。
安らかな死を願うの?奇跡を信じるの?
3日目、脳死が言い渡され全ての投薬も中止された。まだこんなに頑張って生きようとしてるのに。
叔父さんの2歳の孫が来た。昏睡状態の叔父の目から涙が一粒流れ落ちた。
奇跡はそれ一回だけ。4日目の夜中、静かに息を引き取った。

二度と目が覚めない人を見舞う感覚は筆舌しがたい。
多分経験したものしかわからないだろう感覚なんだと思う。その感覚が痛いほど伝わった。
今回感じたのはそれだけ。残念ながら後は・・・・

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