音生が、わたしの腰を持った右手に少し力を入れて、叫んだ。「なあっ、芽衣ちゃん、わたしとどっか行こうや!」 美人で高慢で愛すべき女友だち音生と、彼女に言いなりな私。女二人の感傷旅行の行方は?
読みたい本を片っ端から読んできてだんだん余裕が出てきたのでジャケ読みをしてみる。
綺麗な表紙の本を2冊選んで悩んだあげく(既にもう5冊以上の本を手にもっていたので)一冊に決めてこれにした。
画像出てよかったなぁ・・・
しかし諦めた一冊のほうは ここで相互リンクさせていただいてるふかみんさんに絶賛されていた「パイロットフィッシュ」だった・・・ううぅ(涙)あれから、その本には出合えておらず・・・ 運命ならばまた会えるやね。綺麗な金魚ちゃんの表紙ね・・・
この本のゆったりした流れと登場人物がすごく好きになった。
音生(ねお)という美少女。
どこからどうみても美しさであふれてる彼女。その美しさゆえか歪み、腹黒く、傍若無人。
だけど美しいから皆に許され、主人公も同姓ながら見とれて振り回されてしまう。
きっと近くにいたら一番愛してしまい憎んでしまうだろうタイプ。
物事を包み隠さずに発言する彼女は本を読んでても「顔出せ顔!」とムカムカしてしまうけれど
やはり同じ女性としてその誰をも魅了する外見には憧れてしまうんだよなぁ・・・
主人公と身勝手な美少女の大した目的も終わりもない旅がゆったりと柔らかに描かれている。
作者の柴崎友香は少女漫画の原作やこういう柔らかな作品を得意としてるらしい。
「彼女の部屋」という短編集がとても作者らしくてよいとファンの方のブログで書かれていた。
公開中の「今会いにいきます」のような短編を紹介してある文で涙が止まらなくなってしまった。
悲しくてせつない話をなんてさらりと書くんだろう。
今はまだ無理だけれど、いつか自分の心が整理できたならば、その本を読んでみようと思う。
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