自分のひきこもりの原因にはある陰謀が絡んでいると信じ込んだ佐藤達広。彼はその陰謀に対峙することを決意する。そんな達広の前に現れたのは、日傘を差した清楚な美少女だった。彼女はなぜが、達広につきまとい始めて…。
『引きこもり』による『引きこもり』の小説。このことがいいんだか、悪いんだか悩むな。
だってこの作者は引きこもり続けられる理由と経済力をつけちゃったわけだし。
あ、でもメディアにゾクゾクと顔出してる時点でもう違うか・・・
ボイルドエッグラインは非常に面白い作家を見つけてくるものだ。
三浦しをんといいこの人といいね。
http://www.boiledeggs.com
このストーリーをみたとき一時期ネットで流行した「絶望の世界」という小説を思い出した。
絶望の世界は本当もう名の通り絶望で気持ち悪くて反吐が出るようなグロい小説なのに読むのを辞めることができない。
気がついたら全部読破していたんだった。
「NHKへようこそ」はその「絶望の世界」を少しライトにした感じだろうか。
昔、私も半ひきこもってた時期があった。
必要最低限以外は何を見るのも聞くのも辛かったので、ひたすらひたすら眠り続けていた。
そんなとき勿論自分が原因なのはわかっているけれど何かの理由が欲しい。
誰かのせいに出来たならば、ものすごく体が軽くなる。
だって自分の鬱々をした気分は「何か」のせいなんだものね。
主人公の彼はその何かを「NHK」という組織のせいにした。
しかし、中盤その設定をほったらかしすぎだと思う・・・
物語としてはグイグイ引きこまれるのは前者(絶望)だが、こちらのほうが私は好きかもしれない。
引きこもりの現実は辛いものだけれど、物語くらい救いがあって欲しいもの。
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