小学生ばかりを狙った連続誘拐殺人事件が勃発した。新興住宅地で家族と共に平和に暮らす富樫修は、小学校6年の息子の部屋で、事件にかかわるある物を目にしてしまう。その後、次々と見つかる息子犯人説への物証。「なぜ、我が子が」という戸惑いと、息子の将来だけでなく、自分も家族の未来も破滅するという恐怖。免れようのない悲壮な現実を目の前にしたとき、人はあらゆる知識と想像力を総動員して逃げ道を探す。自分を守るため、そして家族を守るために。


以前事件と酷似してることで書きました。(http://diarynote.jp/d/43633/20041208.html

本編に入る前に書いてある言葉。確かこんな言葉だった。

「顔見知りのあの子が誘拐されたと知った時、驚いたり悲しんだり哀れんだりする一方で、わが子が狙われなくてよかったと
胸をなでおろしたのは私だけではあるまい。」


胸が痛いよ。
だってこれは本当の気持ちじゃん。誰だってそうだもの。
この言葉に私はグイっと魅せられてしまったのだ。

この本のテーマはひとつ。「誘拐」という事件にまだ幼い息子が加害者になってしまった父親の気持ち、苦悩なのだ。
昨今、子供による凶悪犯罪が増えている。(ように感じる)
しかしデータをみるとさほど増えてないらしい。
子供を「言葉の通じない怪物」のようにしてしまったのは、大人とマスコミだよね。
誰にだって子供だった時代はあったはずなのに、考えていたことがどうしてわからないんだろう。
わからないことを「ホラー」だとか「ネット」だとかのせいにしすぎではない??
ま、何かしらのせいにして大人がすっきりしたいだけなんだろうね。

事の結末が、放り投げられてる感があって読んでてすっきりしない終わり方だ。
エンドは微妙なんだけど内容はとても濃くて読み応えがあった。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索