銀座から地下鉄で10分、長屋ともんじゃ焼きと超高層マンションが調和して共存する町・月島。この町で僕たちは恋をし、傷つき、死と出会い、そして大人になっていく…。14歳の中学生4人組が出会った8つの瑞々しい物語。
大人でも子供でもない14歳。
14歳だった頃、クラスの男子って何を語って何を思っていたんだろうねぇ・・・
年齢は少し違うけれど、恩田さんの「ネヴァーランド」を読んだとき何だかリアリティを感じなかった。
嫌いだったわけではないけれど、なんとなーく私の知っている「生身のティーンエイジャー」とは違ってみえたんだよね。
うーん。女性の想像する男子の青春というかなんというか。
時は遡って、自転車キンクリートの作家、飯島早苗が書いた「トランクス」というお芝居があった。
このお芝居は15歳から30歳までの仲良し男子5人組の時の流れを舞台にしたもの。
毎年正月に飲み会を開く彼らは、集まっちゃ高校時代の悪さや夜のオカズの話を繰り返し、彼女の話をする。
時の流れるうちにそれぞれの進路はバラバラになり、エリートコースを歩んだものはグループを疎ましくおもったり、喧嘩や仲直りを繰り返す15年間。
私の中での飯島作品の中でのダントツ最高峰なのよ。
この本はその「トランクス」の序盤の彼らをすごく思い出した。
今の世の中は生きてゆくには少し辛いことが多すぎて、子供でいたり大人でいたり、
その彼らの揺れ動く様がものすごく素敵。
彼らと同じくらいの頃、私が好きだった人はこの本の舞台。月島の人だった。
同じように、やんちゃででもどこか大人を達観しているところがあって、よくその彼と隅田川の水上バスに乗りながら昔の武勇伝を聞かされたのだ。
私の思い出や大好きな作品を彷彿とさせるところ。
色々な思い出が混じり混ざったよい話だ。
子供にまだまだ失望なんかしたくないものなぁ・・・
コメント