ネット上の自警団員「サイバー・エンジェル」候補に選ばれた国語教師の祭戸浩実は、チャットルームで知り合ったJezebel−Pと名乗る主婦との会話に夢中になっていくが…。『週刊アスキー』連載に加筆して単行本化。
チャットのことなら俺様に訊け！
俺も未だよくわからないけど心配するな！
ここ数年私はもう普通の友達となんら変らなくなってしまったメンバーと他愛もない話や情報交換をすることばかり。
色々なサイトによって雰囲気なんて大分違うんだろうけど、ネットで流れる独特の空気や雰囲気ってのはもう見慣れた光景なのだ。
さりげない言葉のやりとりの裏に見え隠れする相互関係や、人間性の厚み。
隠しようがないのか、匿名なので隠す必要もないのか非常にアラの目立つ人間像が浮き彫りになる。
己が武装する術をつけた後にみると、「匿名」という強い鎧をつけた人間が化け物に変化する様子は、悪趣味と言われようが面白いのだ。
この本はそんなネットの世界を、すごくわかっているようで、なんだかちょっと違う。
自分がスッポリとはまってきた次元の話なので、本に流れるネットの世界との雰囲気の微妙な違いが居心地が悪い。
指摘できないんだけど付け焼刃の知識で書かれた本に見えて仕方がない。
外国人のイメージする日本文化に違和感があるのに近い。
あってるけど惜しいなぁ・・・と。
ネットの流行なんて3日で変るものだから題材に扱うには鮮度が大切なのに、ネタが数年前に事件になったロリコンや猫殺しなど、もう色々なところに食い尽くされて賞味期限切れなものばかりなのが寂しい。
アスキーで連載されたということなので、読者層を考えて、連載当時の流行を取り入れたものなのだろうけど、書籍化した頃には、やはり古さを感じてしまうよなぁ・・・。
「私ちょっとネットとか疎くて・・・・」という方には（まぁ、そんな人はここを読まないだろうけど）魑魅魍魎が一般人と同じ顔をしているネットの世界が異常に怖い世界に感じるだろうけど・・・
私からすれば「あるかもね。こんなこと！」くらいなんだよねぇ。（これは言いすぎ）
大体、単純な私ごときに結末がわかるようなオチじゃぁまだまだだ。
あと3回くらいストーリーを捻って欲しい。
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