シルエット

2005年11月24日 読書
ISBN:4062109042 単行本 島本 理生 講談社 2001/11 ¥1,365

ナラタージュで傷つけられた心は同じ作家、島本 理生に返してもらおうと思った。
あの本 で号泣して以来、本 を取るもなんとなく溜息ついて途中まで読んでは辞めることばかり。
そんなに追い詰められて本 を読む必要はないんだよね・・・と思いつつもライトな本 でお茶を濁して自分を騙す。
どんなものでもいいから活字(または映画)を目 で追うことで心を満たしてやらないと私は駄目 なのです。

彼女のデビュー作品「シルエット」
高校生の恋愛の話だ。
同じくらいの年の頃、私はこんなに大人な恋愛をしていなかった。
肉体関係になるにも高い高いハードルがあって、彼の手に触れる触れないくらいのところで、もどかしいくらい頭の中での試行錯誤が繰り返されていた。

この本 は、今になってやっとわかる恋愛の切ない心の痛みが胸にぐっとくる。
おぉ、私は遅すぎただろうか。
彼女は齢17歳(執筆当時)くらいでこれを書いたのだからね。(同時収録の『ヨル』は15歳で執筆)
しかし余計なお世話だとは思うが、15.6で想像であったとしても、この感覚の域に達してしまうと、あとの恋愛は全部スタンプを押したようなことの繰り返しで恋愛がつまらなくなるのではないかね?島本 さん?25で既に出家するか、アブノーマルに走るかしたくなるよ?

ナラタージュの衝撃には足りないけれど、やはり彼女の言葉ってのは核心そのものを切りこまないが、胸に響くのだ。
胸に一番心を捉えたのはあとがき。
「他人というのは異物だから絶対に溶け合うことができない。だから深く受け入れようとするとどうしても苦しまなければならない」

あぁ。もっともだなぁと思う。
誰とでも仲良くしているように見えるらしい私はいつも人と付き合うのが苦しい。だけど、いつも誰かの肌に触れていたいという矛盾で悶々としている。

彼女はデビュー作からものすごい成長を示してるので次の作品がとても楽しみでならないよ。

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