魔王

2006年3月25日 読書 コメント (3)
ISBN:4062131463 単行本 伊坂 幸太郎 講談社 2005/10/20 ¥1,300
「小説の力」を証明する興奮と感動の新文学
不思議な力を身につけた男が大衆を扇動する政治家と対決する「魔王」と、静謐な感動をよぶ「呼吸」。別々の作品ながら対をなし、新しい文学世界を創造した傑作!


村上龍を溺愛する人って、なかなか「村上本」以外を読みたがらない気がする。
あのカリスマ性のある魅力的な主人公たちだったり、独特の世界観を好むのだろうね。
で、最近、その村上ファンが少し村上さんから卒業したくなり、次に手を出す本が伊坂幸太郎だそうです。
彼の小説には時々、他の伊坂作品の登場人物がふと顔を出すので、これから伊坂本を読み始める方は是非出版された順番に読んでみることをお勧めいたします。

序盤のストーリー展開は、もうムズムズしてしまって面白くて面白くて仕方なかったんだけどなぁ。
シューベルトの魔王と、特殊能力を持つ主人公、そして圧倒的な存在感を放つ新進政治家、犬飼、そしてムッソリーニの引用。
これからどうなるんだろう?という高揚感で熱が出るかと思った。

しかし、いっぱいに広げた風呂敷は最後まで畳まず、そこはかとない結末でがっくり。
私のいつも読んでいるブログの方が初めてこの作品で伊坂さんを初めて読んで「伊坂は、もう二度と手にとらない」と言っていた。
私は伊坂ワールドの透明な蒼さを知っているのでまた新刊は絶対に読むだろうけど、なんかコレ限りで見限ってしまう方がいるのは悲しいなぁ・・・

コメント

nophoto
藍麦
2006年3月25日17:00

コメントありがとうございます。

トラックバックができなかったので、コメントバックします。
「魔王」は確かに伊坂本では異質ですよね。カタルシスがないというか。

ところで、新刊の「終末のフール」はどうでしょうか?買いですか?

りーすりんぐ
りーすりんぐ
2006年3月26日8:13

同じく「魔王」読みましたが……。個人的には「重力ピエロ」や「死神の精度」のほうが好き。

キリカ
キリカ
2006年3月26日23:36

藍麦さま>>
そうですねぇーいまひとつすっきりしなかったです。結末が。
犬養のくだりなんかは、「愛と幻想のファシズム」くらいドキドキしたんですけどね・・・期待しすぎました。
新刊も必ず読むと思いますよ。多分どんな酷評でもきっと伊坂さんの作品は読んでしまうだろうなぁと思ってます。

りーすりんぐさま>>
私も重力ピエロや死神のほうが好きかもしれないです。
荘厳な世界はこっちも嫌いじゃないんですがね・・・

前から思ってましたが、りーすりんぐさんの読書量はんぱないですね!すごく尊敬します!

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索