砂漠

2006年4月23日 読書
ISBN:4408534846 単行本 伊坂 幸太郎 実業之日本社 2005/12/10 ¥1,600
「大学の一年間なんてあっという間だ」入学、一人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン…。学生生活を楽しむ五人の大学生が、社会という“砂漠”に囲まれた“オアシス”で超能力に遭遇し、不穏な犯罪者に翻弄され、まばたきする間に過ぎゆく日々を送っていく。パワーみなぎる、誰も知らない青春小説。

大学時代って無敵だった気がする。
高校時代は制服を着てるし、親の庇護にあるという意識がまだ強い。
やりたいことはあっても未成年だし、なんていっても金も自由もない。
大学生だって今にしてみれば高校生とさほど変わらない親の監督下におかれてる学生なんだけどさ。
制服から私服に変わり己の個性を放出し、放たれた鳥のようになる。
私の大学時代は至って可愛らしいもので、活動時間は夜中に変ったがやってることは小学生のそれと大して代わり映えしなかった。合コンも無縁で酒を飲むお金も持ってないので夜中鬼ごっことかしてたなぁ。

伊坂さんの作品の会話って身悶えするほど粋だ。
上手に説明できないんだけど、ネーミングがいつもクールで上手だなぁと感心する。
今回も魅力的な主人公が山ほど登場するのだけど、やはり私が好きなのは西嶋。
伊坂さんはサンボマスターのボーカル山口さんのイメージで書いたらしく、太って眼鏡かけて冴えないナリ。
しかしいつも自分の未来や過去よりも世界を変えたいと思っており
「ボクはねー砂漠に雪を降らしたいんですよ!」と熱く語る。

多分麻雀を知ってるのと知らないのとでは楽しさも違うのかもしれないし(彼等は大学生らしくショッチュウ雀卓を囲んでる設定なのだ)、サプライズゲストも出演してるらしいので、やはり伊坂作品は新作でても飛びつかず出版順に読むべきだと反省いたしました。

今回わかったことは私は伊坂幸太郎の物語に恋してるんじゃなくて、文章と世界観に恋してるんだな。うん。

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