ISBN:4062133687 単行本 豊島 ミホ 講談社 2006/03/28 ¥1,470
最初読み始めたときに、雪枝をキチガイじみた女だと思ってた。
ある日突然15歳だった聡を拾い、彼に飽きたので、またあらたに14歳の夕陽に声をかける。
聡と夕陽の気持ちをいたぶるように、雪枝は聡を縛って押入れに突っ込み、夕陽との会話を聞かせる。
またあるときは夕陽を別室に突っ込み、聡とのセックスを夕陽に聞かせる。
だけどね・・・・私は雪枝の気持ちがわかるんだよね。
というか自分自身が雪枝である。
人と仲良くなるときに、私は今までこんなことをしてましたってことをサラリと話したりするよね?
そのときに私は自分を形成してきた、(そしてそれで食べてきたし)映像業界で働いていたことを話して、芝居をやっていたことを話して、学生時代にはライブハウスでギタリストをやってたことを告げるのね。
自分にとってはそれが自分が歩んできた道だったし、特異だとは思わないけれど、一般企業で働くようになってから大概の人に驚かれるようになった。そしてその驚いたときに、ほんの一瞬だけ見せる軽蔑の眼差しが心地よくなってきた。
性癖とかそういうのじゃなくて、自分が他人と相容れないというか、他人と違う何かを手に入れていることを再認識できて心地よいんだよ。
あまり説明してしまうと、この本全てネタばらししてしまうので言わないけれど、方法論は違ったとしても雪枝のとった行動が痛いいくらいにわかった。私にとってはジョゼを見たあとに似た、罰の悪さを再度感じた。
でもきっと私はこれからも、雪枝と同じように馬鹿なことを繰り返しては、自分を許せず苦しんでいくんだなと思う。
思いがけない夏が、いま始まる。
私立の男子中学に通う夕陽、24にしては幼く見える雪枝、15で雪枝に拾われて4年になる聡。初めて夕陽が雪枝の家を訪ねる日、押入れの中には、後ろ手に縛られた聡がいた……。不安と希望の間で揺れる、青春の物語。
最初読み始めたときに、雪枝をキチガイじみた女だと思ってた。
ある日突然15歳だった聡を拾い、彼に飽きたので、またあらたに14歳の夕陽に声をかける。
聡と夕陽の気持ちをいたぶるように、雪枝は聡を縛って押入れに突っ込み、夕陽との会話を聞かせる。
またあるときは夕陽を別室に突っ込み、聡とのセックスを夕陽に聞かせる。
だけどね・・・・私は雪枝の気持ちがわかるんだよね。
というか自分自身が雪枝である。
人と仲良くなるときに、私は今までこんなことをしてましたってことをサラリと話したりするよね?
そのときに私は自分を形成してきた、(そしてそれで食べてきたし)映像業界で働いていたことを話して、芝居をやっていたことを話して、学生時代にはライブハウスでギタリストをやってたことを告げるのね。
自分にとってはそれが自分が歩んできた道だったし、特異だとは思わないけれど、一般企業で働くようになってから大概の人に驚かれるようになった。そしてその驚いたときに、ほんの一瞬だけ見せる軽蔑の眼差しが心地よくなってきた。
性癖とかそういうのじゃなくて、自分が他人と相容れないというか、他人と違う何かを手に入れていることを再認識できて心地よいんだよ。
あまり説明してしまうと、この本全てネタばらししてしまうので言わないけれど、方法論は違ったとしても雪枝のとった行動が痛いいくらいにわかった。私にとってはジョゼを見たあとに似た、罰の悪さを再度感じた。
でもきっと私はこれからも、雪枝と同じように馬鹿なことを繰り返しては、自分を許せず苦しんでいくんだなと思う。
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