DVD ポニーキャニオン 2006/02/24 ¥2,625
真夏にクーラーのリモコンが壊れたSF研究会の部室。そんなところへ偶然現れた本物のタイムマシンに乗って、昨日にタイムスリップ。壊れる前のリモコンを取ってきた研究会の面々。だがそれは過去を変える行為であり、そのせいで全てが消滅する恐れが! そこで元に戻すための大冒険がスタートする!

お。恐ろしい・・・。 (((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
と何故にこんなに脅えるかと申しますと、この映画の脚本を書いた小劇団ヨーロッパ企画の脚本家、上田誠氏は私が知らないだけで地元では昔からの大人気の小劇団なんだと思っておりました。
勿論人気はうなぎのぼりですが、実際のキャリアといえばテントやアトリエでの公演できちんとした劇場で公演したのは、このサマータイムマシンブルースが初めてのことらしいです。それがたった5年前。
その2年後には既に大阪近鉄劇場という関西で有名な劇場で同タイトルを公演。そして脚本の面白さに惚れこみ映画化。
演劇ってのはわりかし遠浅の海のように緩やかに成長していくものですが、こうやっていきなりの抜擢はすごい。
しかしだんだんとそういう風に演劇というマイナーな文化に脚光を浴びる場所が増えてるというのは嬉しいことです。
逆にいうと往年の名脚本家が小劇団の脚本を超えるものを書けなくなってきちゃってるのかもしれません。

さて映画はバックトゥーザフューチャーの規模をものっそいちっちゃくしたストーリー。
あの映画が父親と母親の出会う頃に戻り、橋渡し役になるというロマンチックだったのに比べてこちらは規模が小さい!!
恐竜のいる時代にも行きたいけれど、戻れなくなったら怖い。未来に行くのも自分がもし死んでいたら怖いってんで昨日。
んじゃ、この夏の暑い日、クーラーが壊れている生活も嫌なので、昨日からクーラーのリモコンを持ってきたらいんじゃね?
なぁんていう学生の馬鹿な発想から始まったこの顛末。
タイムパラドックスが非常にわかりやすいくせに、複雑で面白く、タイムラインを書いた脚本家にも是非みせてあげたいストーリー。そして青春劇が素晴らしい。ただ残念なのはオープニングにつらつらと観客のわからないシチュエーションをみせることが退屈だった。(最後に全部数珠つなぎになって解明するのは、先日絶賛した「穴」と同じ手法だが、こちらのほうが退屈に感じた)
しかし、邦画にまたひとつ名作が誕生したなと私は思うくらいの素晴らしい映画でした。

コメント

nophoto
のーぺー
2006年7月21日10:16

ヨーロッパ企画は、5年前にE−1グランプリの東京予選(笑)に出たときに観たんだけど、圧倒的なセンスの良さに正直「ヤバイ!」と思ったですよ。
ここ数年、芝居は昔ほど数はこなしちゃいませんが、その中でもオススメは何かと聞かれたら真っ先に名前を挙げちゃいますね。

キリカ
キリカ
2006年7月21日22:29

やっぱりすごい速さで駆け上ってきたところはわけが違うね。

これは舞台版もDCDが出てるようなので是非みてみたいです。
多分、このバカ4人組の一体感とかは絶対劇団員たちのほうが出ると思うからねー

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索