ISBN:4087748065 単行本 豊島 ミホ 集英社 2006/04 ¥1,365
小学校1年生から6年生になるまでの長い期間、子供が見つめた大人の世界の短編集。現代ならば悲しいけれどどこにでも転がる現実を子供目線で描いている。すごいのはだんだん主人公が成長していくにつれ、見る世界を少しづつ理解していき大人への足がかりをみつけていくのが読者にありありとわかる。
自分の小学生時代。今よりもっと穏やかで呑気な時代だったと思う。
誘拐事件などはあったけれど、それは金品目的のものばかりで、今のように性的暴力が目的の誘拐などはなかったからだ。
だからもっと何も知らずに呑気に暮らすことができた。
大人が話してることは、自分の使っている同じ日本語だったはずなのにさっぱりわからなくて、大人が話してるのが大嫌いだった。
母と買い物にいくといつもどこかでお友達のお母さんに会ってしまい、そこで長い長い立ち話が始まる。私にわからない話を延々とされ待たされるのが大嫌いでいつも不機嫌そうな顔していて、後で母に「もうちょっと愛想よくしていなさい!」と御尻をつねられたのだ。
私は子供の頃、自分で全てわかっているかのように感じていたくせに、センリのように大人の事情は何一つわからなかった。
彼女の目を通してみる現代と一人のどこにでもいる普通の女の子の成長小説。豊島さんの観察眼は素晴らしいと思う。
なんにもない田舎で暮らす小学生センリ。でも気になることは山ほどある。クラスメイトとの微妙な距離感、となり町での発見、垣間みるオトナの事情…。“明るい子ども”でいるため、言葉にできなかった7つの思い。人生で一番長い6年。小学生センリが初めて知る、不安、痛み、憧れ、恋。『檸檬のころ』で注目を集めた24歳の新鋭が、新しい発見に満ちた日々とほろ苦い成長の過程を、細やかに掬い上げる。
小学校1年生から6年生になるまでの長い期間、子供が見つめた大人の世界の短編集。現代ならば悲しいけれどどこにでも転がる現実を子供目線で描いている。すごいのはだんだん主人公が成長していくにつれ、見る世界を少しづつ理解していき大人への足がかりをみつけていくのが読者にありありとわかる。
自分の小学生時代。今よりもっと穏やかで呑気な時代だったと思う。
誘拐事件などはあったけれど、それは金品目的のものばかりで、今のように性的暴力が目的の誘拐などはなかったからだ。
だからもっと何も知らずに呑気に暮らすことができた。
大人が話してることは、自分の使っている同じ日本語だったはずなのにさっぱりわからなくて、大人が話してるのが大嫌いだった。
母と買い物にいくといつもどこかでお友達のお母さんに会ってしまい、そこで長い長い立ち話が始まる。私にわからない話を延々とされ待たされるのが大嫌いでいつも不機嫌そうな顔していて、後で母に「もうちょっと愛想よくしていなさい!」と御尻をつねられたのだ。
私は子供の頃、自分で全てわかっているかのように感じていたくせに、センリのように大人の事情は何一つわからなかった。
彼女の目を通してみる現代と一人のどこにでもいる普通の女の子の成長小説。豊島さんの観察眼は素晴らしいと思う。
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