ISBN:4840114935 単行本 いしい しんじ メディアファクトリー 2006/02 ¥1,155
「さいわいなことに、雪はいずれ溶けます。はかないようですが、そこが雪のいいところです」ロッスさんは、そういって笑いました。物語作家いしいしんじが描く、さまざまな人たち、それぞれの営み。あなたは、何をする人ですか?

すごくいい本という噂を聞いていたのですが、やはりこれを読むならばシンシンと雪の降る2月とかに読むべきなのかもしれないなと思っていました。でもなんというか、癒されたいというか、少々御休みしたいというべきか?大して働きも遊んでもいないというのに、食欲もまったく衰えていないのにね。

色々な職業をもってる30個の物語。
私は風呂屋の島田夫妻の話が好き。
島田夫妻の沸かすお湯には、色んな人が集まって、そのお湯に入るとみんな肌がすべすべになってたちまち病気もよくなってしまう。
みんなにいいお湯を作ることで一生懸命な島田夫妻は自分たちのお湯に一度も入ったことがない。そんな島田さんの旦那さんが末期がんになってしまうのです。

もし貴方に子供がいたら一緒に是非読んでほしい1冊。
そして私にもし子供を持つ日がきたならば、この30個のストーリーをひとつづつ枕もとで聞かせてあげたいなと思う。そんな童話たちなんです。どれも綺麗で滑らかで、よく人がいう「大切な何か」という言葉がありますが、その「何か」に含まれているものがたくさんちりばめてあります。具体的にこれという言葉に出来ず、大切な「何か」が短編の中にぎっしり詰まっているんです。
これをプレゼントして「とってもいい本だね。ありがとう」といってくれる人と私は一緒にいたいなと思います。

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