とある山奥の寒村、源義経率いる源氏ギャングと平清盛率いる平家ギャングが、村に言い伝えられるお宝をめぐって血なまぐさい抗争を繰り広げていた。そこへ、心に傷を負った流れ者のスゴ腕ガンマン(伊藤英明)が現れる。彼がどちらの用心棒につくのかそれぞれの思わくがぶつかり合う中、源平の戦いは、さらに激化してゆく。

これは万人にオススメできない名作である!!

「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」は予告編のときからスワロウテイル以来の「成功した無国籍感」に惚れ込んで楽しみーにしていたのです。そして公開即見に行ったのですが、地元映画館は私を含め5人!!( ´゜д゜`)えーーー 
しかも全編誰も笑っていない!( ´゜д゜`)えーーー
オマージュ含め笑いどころ盛りだくさんのB級カルトムービーだったと思うのですが!

今まで伊勢谷友介といえば、特に印象がない「いい男」で目にも留めていなかったのですが、なんすかこの美しさとキレた演技!数年前ならば確実に窪塚にキャスティングされたであろう、クレイジーで残酷な源義経。ガンマン風のデニムに白いシャツ、そして白い着物を肩から下げている彼が返り血を浴びながら眉一つ動かなさない様子は完全にスクリーンで一番輝いていた。
殺陣も無駄がなくて綺麗な舞踊を見ているかのような素晴らしさなんですよ!
ベテラン時代劇俳優や舞台役者の素晴らしい殺陣をいくらでも見てきたのですが、こんな流麗な殺陣を見たのは初めてだ。

この映画の素晴らしいところは源平どちらのトップをはじめ、端役の隅々まできちんとキャラクター設定が作られている上、芸達者な脇役を配置したこと。
石橋貴明のコメディシークエンスなどは蛇足だと言われておりますが、私は好きだ!往年の一番輝いていた「みなさんのおかげです」の頃の貴さんを見ているようで素晴らしかったし、盛大に笑わせてもらった。そういう蛇足部分含めて、ダラダラ監督の好きなことをやって、今やっているグラインドハウスのようにある一定のマイノリティを狙った映画なんだもの。これ。
きちんとした正多角形の映画じゃ駄目なんだよ。

それと引き換えに「正義」で「真面目」な主人公はあまりの善人すぎるふっつーの行動が周りに蹴落とされてしまって、どこにいるかさえよくわからない状況になってしまっていてもったいない。脚本的にも途中から主人公を忘れてるフシさえあるもの。

脚本的なバランスを含め、「この映画はこういうものだから!」と言い切っている強引さが好きなんですよ。
「さくらん」の公開時も色々な人の意見を読むと歴史的考証を突っこんだものばかりだった。
蜷川に音楽が椎名林檎って時点で吉原の歴史を知る映画ではないことを判って欲しいのですよね。
この映画も同様に「こういうもの」として全て受け入れられる懐のでかい映画ファン全てに見ていただきたい映画でしたよ。

あ、ねーねー、今年の年末のサブちゃんは『ジャンゴ』歌うの!?ワクワク

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