ISBN:4344006755 単行本 たかの てるこ 幻冬舎 2004/09 ¥1,470

失恋しても、タダじゃ起きん!世界33カ国を駆ける“旅人OL”たかのてるこが、大失恋の末に「人生を変えたい!」と思い詰めて旅立った先は……ダライ・ラマだった!!傑作紀行エッセイ。


この本は私も何冊か紹介している たかのてるこさんの旅エッセイ。
たかのさんの番組はいつもゲリラ的にテレビでOAするから見れた試しがないっ!
でも今回は好き好き!とあちこちで言いふらしていた為、友人より情報が入手!無事動いてる彼女をじっくりみることができました。
たかのさんって珠代姉さんぽいねぇ・・・しみじみ。
そして補完をするためにこの本を読んだわけです。

で、本題に戻りますと、チベットの人の暮らしも生活も、とんと私の知識にない。
セブンイヤーズチベットイメージだったり、宗教色の強い町なんだろうなぁとは思っていたけれどここまで人々みんなが宗教に恋して、法王に頼っていることがすごい!本当にすごい!
なんでチベットの人たちはこんなに清らかなんだろう??

今まで私は神社仏閣にいったときお願いをしていた。
それは例えば家内安全だったり、願望成就だったり、病気平癒だったり。
こうお願いすることに何の疑問も持たなかったし、むしろそういうところで祈願をする自分はどこか清らかな気さえしていた。

たかのさんも大多数の人と同様に願った。
しかしチベットの人が祈るのは「世界平和」なのだ。
「そんなこと当たり前でしょう?それ以外に何を望むの?」とみんな真っ直ぐな瞳で逆にこちらを疑問に持つのだった。
あぁ・・・・己の願望や身近な人のことを願うことさえチベットでは自己中心的で人間が出来てないことに近いのだ。
なんかすごくショックだった。
もうチベットのこの人たちって生きていながら天国の人みたいに心が美しく透明なの。
自分の腹黒さが恥ずかしくって恥ずかしくってさぁ・・・

こんなスピリチュアルな国では、どんなことも不思議じゃない。
きっと空を飛ぶ仙人だっているに違いないよ!(大袈裟だけど)

この本の中で前世を覚えている少女が出てくる。
昔「前世療法」という本に衝撃を覚えた私にとってはすごくワクワクする話だった。
チベットにとって死ぬということは怖いことではなく、今までの服を脱ぎ捨てて新しい服を着るだけのことなのだそうだ。

そっか。うちのママもきっとまた新しい服を着るだけなんだなぁ・・・
少しだけ気が楽になった。
ISBN:4872575199 単行本 小嶋 独観 イースト・プレス 2004/12 ¥1,250

以前読んだ「お寺へ行こう」の著者の方の別本。
いやぁーもう みうらじゅんとの対談だけで、もう読んで悔いなし!
二人でお寺めぐりとかやってくれないかなぁ。深夜番組で。
みんな見るよね!・・・・見ないか・・・

サイトはこちら。
http://www41.tok2.com/home/kanihei5/

いやぁーーとんまつりでも思ったけれど、どこの国だ!?
東南アジアなどにある、きらびやかでギラギラしたお寺やとんでも仏像などがあるものって日本ではないものだと思ってたよ〜。
うちの近所にもお寺はあるけれど、ひなびたどこにでもある作りで目立つのは大晦日だけ。
こう・・・もっとお寺って日本の芸術にそってさぁ。フェノロサが感動しちゃったような。厳かで様式美で、でも中国のように煌びやかではなく、侘びさびのものだと思ってた。

なんだなんだ!桃太郎神社ってさぁ。
へたうまなコンクリート桃太郎が鳥居の下で仁王立ちしてんの。
しかもペンキでどピンクに塗り上げてられて、公園にあるオブジェというか・・・なんというか。
写真↓
http://www.inuyama.gr.jp/ssinfo/contents/momotaro_jinjya.html

そのほかにも山の中に最初は仏像などだったものが、仲良しの友達や親戚まで全員像にしてズラリと並べた石仏の森。

http://www41.tok2.com/home/kanihei5/toyama-oosawano.html
こ、怖い・・・・だってコンクリートで普通のサラリーマンの像みたいなのが山の中に数百体並んでるんだよ!不気味〜・・・
親愛の証に貴方の像つくりますよ!とかいわれたら嬉しい??嬉しくないと思うんだけど・・・

ほんっとよく見つけたねえと思うし、この作者の方の言葉の選び方が妙に横文字なので、「お寺」という日本のものと違和感があって面白くてたまらないのだ。あー私も廻ってみたいのだ。珍寺めぐり。
ISBN:4344006542 単行本 上大岡 トメ 幻冬舎 2004/07 ¥1,260

今すぐできてかんたん、お気楽、たいした覚悟もいらない、大金もかからない、5分間で自分を変える60個の方法。Shes net連載コラム「5分で自己改革」から厳選しました。


自己啓発本っていうんでしょうか?
ものすごくシンプルで当たり前のこと、でも心の余裕がないとできないことがひとつひとつ羅列してある、
「靴をきちんと並べて脱ぎましょう」
「急いでるときこそ丁寧に字を書きましょう」

確かにそうなんだよねぇ。
友人で普段はズボラなのに靴だけは綺麗に座ってきちんと揃えなおす子がいるんだけれど
すごく素敵だし、尊敬する。
私ときたら両手に荷物を持っていたら揃える余裕もなく、すっ飛んでいってしまう。
なんだか気力が起きないときはいつもあって、そういうときにモチベーションを高めることって本当に難しい。
表紙のようにこぶしを高く振り上げて立ち上がる。そうするとやる気もみなぎり、楽しくなってくる。

実際そんなことないだろうけど、やってみるだけ価値がある。
そう思っちゃえば、そうなる。思い込んだもの勝ちだよね。

何をするのも嫌。だけど家で掃除をしなきゃいけなかったり、やらなきゃいけないことが山積みだったりするとき。
友人に教えてもらったモチベーション克服方法なんだけど、私は素敵なエプロンをする。
まるで素敵なカフェの店員みたいな恰好するのさ。髪をきっちり束ねてナチュラルな服を着る。
マテリアルガールな私には形から入るこの遣り方がベスト。
すごくやる気もおきて、ボサなんか聞きながらシーツを変えたりする。
人それぞれ合う合わないあるだろうし、色々な起き上がり方もあるんだろうけれど、少しだけ気分を変えて前に進むのは大切だなぁ。うん。

かくいう本日の私は未だ睡眠不足な上、膝かけに包まって眠る一歩手前。
こんなことを書きながら、今私はダラダラ仕事をしている。キーボードに頭うちつけて寝ちゃいそうだよ・・・
暇すぎる日もよくないネ・・・・
ISBN:4479770569 単行本 益田 ミリ 大和書房 2002/10 ¥1,365

32才、独身、貯金なし。オンナがひとり、からだを張って生きてゆくのは大変だ。怒らなくちゃやってらんないことばかり。怒って笑ってスッキリする、エッセイ、つぶやき川柳&怒りマンガ。


ダヴィンチ連載の益田ミリさんはあまりにも毎回切ない話なので、恋愛エッセイを得意としてるのかと思いきや、どちらかというと笑わせるエッセイのほうが多いようです。
本のリストみても「オンナの妄想人生」とか、タイトルだけで惹きつけられるよっ!!
サイトもすごい面白いんだけど更新しないまま数年たってる・・・くぅーーブログでも書いて欲しいよ。

彼女が普段きりきり怒ったことが書かれてる。
すごいこれがね、同感して面白いよ。
同じように怒りブログを書いてる青木さやかさんも、もちょっとこのくらい精進して欲しい。

ちなみに私もいつも怒ってます。
いやでもほら、最近って不条理な人が街に多くない?
先日も駅で傘を横に持つカップルの男性がいて、私の足にガツッと尖ってるところが当ったんですよ。イタイイタイ。
そりゃビニ傘の先ッぽが太ももに強く当ったんだから、相当痛い。思わず「いたっ!」と叫んでその人を見てしまった。
彼女のほうが彼にこういったんですよ。

「自分からぶつかってきたくせに痛いなんて言うなよね〜?」

「いやいや、ラッシュ時の駅で酔っ払って傘をブンブン横に振り回してる貴方の彼のが非常識ですから!
私が一体なんのために自分から尖った傘の先端に突入していかなきゃなんないんですか?!!」

と心の中で叫びました・・・(チキンな私)

カルシウムが足りないのかな?いつもカーッとする。
プンスカいつも怒ってゴメンなさい。周囲の皆様。

不美人論

2005年6月15日 読書
ISBN:4770501854 単行本 西 研 径書房 2004/03 ¥1,575

女の子はきれいじゃないとダメですか? 人生をかけて「ブス」に挑む藤野と、「ブス」を優しく受けとめてテツガクする西の本音対談。抱腹絶倒! 目からウロコ! 女の弱み、全部見せます。あなたの人生、変わります。


こないだの失恋反省会、みなっちと東大哲学科の西研が真剣にブスのせつなさを語るこの一冊。

例えば恋愛関係なんかは好みもあるだろうけど、こと他の人間関係に関しては別に美人、不美人は問いませんよ。
そりゃー本当のこといえば美人と一緒だとモチベーションもあがるし、コンプレックスも刺激される。
「関係ないじゃん?美人だろうが不美人だろうが!」って思う人もいるでしょ?
ほんっと!世の中は容姿によって生き方が全然違ってきますから!!

「男性ってこういうところで対応が違ってくるよねぇ??」といった みなっちの発言を哲学や社会学などとともに
わかりやすく説明されてる。感情論だけかと思ってたら、すごく客観的で冷静に不美人を語ってるんだよね。
あら、こんなに真面目な語り口の本だったのか・・・思わず正座して読み直し。

 友人で有名女子大の子がいた。頭もよくて気さくで性格もすごーーいよくて私は大好きだったし仲良しだった。
彼女の欠点といえば(私は欠点などと感じたこともないけど)すごく太っていたことと、あまり可愛くなかったこと。
それ以外はほぼ完璧だったと思う。
彼女はサービス業に本当は行きたかったらしいけれど、全部落とされたね。
全部面接でアウト。

もうひとつ。以前チャットで悪戯をしたことがあった。
ある男性がこういったのよ。「君の容姿が好きなわけではなくて、性格が好き。だから会いたい。実際会いたい」と。
その男性がいるとき私は別のHN、そしてプロフィールに別の写真をのせて話しかけた。
挨拶もしてくれなかったよ。現金なもんだった。ハハハ。

いくら偽善をいったって、容姿で特をすることはある。絶対にある。
だから私は美人になりたいよ。心から。努力するよ。頑張ってさ。ファイトーオー!

しんシン体操

2005年6月14日 読書
ISBN:4163663800 単行本 室井 滋 文芸春秋 2004/10 ¥1,300

美容と不思議はオンナのたしなみ。ムロイの突撃体験エッセイ集。


私が本を読む規準になるのはまずは作者、もしくは装丁。
あの村上龍の「半島を出よ」の装丁。すごくいいと思っていたら鈴木成一さんのでした。
鈴木さんは元々第三舞台のチラシを手がけてた人だったのだけど、これがね〜何年たっても美しく洗練されていて、それでいて古くならない。すごいよ。大概、デザインというものは時代に合わせてしまえば年月がたつにつれて色褪せていくというのに今でなお新しく美しい。

話は戻して、元々の室井さんの本の装丁って別に悪くなかったと思うんですけど、今回の・・・ちょっとこれないよ・・・
クレアで連載していたものだし、もちょっと美しいものでも悪くないと思うよ。
なんかこれ芸能人の出す、B級ダイエット本に見えるよ・・・・

中身は室井さんが色々な美容体験や不思議体験をするものなんだけれど、本になるまでに少し時間がかかったせいか、
酸素バーやゲルマ。結構もう自分で体験しちゃったものばかりなんですよねぇ・・・
勿論彼女の文章は面白くて魅力的なんだけど・・・綺麗を追及しすぎちゃうとスピリチュアルなことにいってしまう。
今回も後半のほとんどは不思議体験。スピリチュアルなものばかりなのだ。
バックオーライ!そこまで行かなくていいです〜。
風水や前世。美に対しての追求はいくつでもしたくなるし幸福に運もよく暮らしたい。
だけど怖くておみくじも引けない私(凶が出た日には激しく欝になってしまうので)にとっちゃ、絶対に踏み入れちゃいけないゾーンなんですよ。おーこわっ。

失踪日記

2005年6月10日 読書
ISBN:4872575334 単行本 吾妻 ひでお イースト・プレス 2005/03 ¥1,197

「全部実話です(笑)」──吾妻
突然の失踪から自殺未遂・路上生活・肉体労働、アルコール中毒・強制入院まで。
波乱万丈の日々を綴った、今だから笑える赤裸々なノンフィクション!
カバー裏にシークレットおまけインタビューが掲載されています。 



ダヴィンチに紹介されてから、気になって仕方なかった本ですが、余りの本屋の平積みっぷりに完敗。
いやぁー面白かった。
吾妻ひでおという漫画家。私は知りませんでした。
彼の経歴、全然知らず「ドロップアウトしてしまった漫画家の半生」を知りたかっただけなんだけれど、
彼が一度目の失踪をしたとき警察に保護される。捜査願いの出ている漫画家と知った警察はひとつ彼に絵を描いてもらうのだ。
彼は女の子の絵を一枚色紙に書いて警察に渡す・・・

あ!ななこSOSだ!

ね、年齢がばれますが、すんごい昔。ストーリーはもはや覚えていないけれど子供の頃確かみたアニメ。ななこだった!
そっかぁー吾妻ひでおは「ななこSOS」の人だったのかぁ。酷く納得。
彼が失踪した理由は色々あるんだけど、その一つは彼が自分の好きな作品をまったく書けなかったことにあるようだ。
売れ線、人気の出るような漫画を無理やり書かされ、原作はほとんど編集者。
一度逃げ出してしまえば戻る勇気もないので、フラフラとホームレスになる。
カラカラ書かれているけれど、すごーーーく破天荒だったんだろうなぁ・・・
吾妻さん自身も「あまりにもそのまま書いてしまうと悲壮すぎるから、明るく書いた」とあった。
誰でも自分の人生から逃げ出してしまいたいことってあるよねぇ・・・

好きでやっていた芝居や、音楽だって私はげっそりしてご飯も喉を通らず、
私はいつも何かの重圧に耐えながらやっていた。
今、普通のOLで毎日御洒落の話やテレビの話ししながら気楽に生きてる。
すげー一般人、楽だと思う。
何かを追いかけながら生きていくのってすごく辛かったよなぁ・・・・
と失踪日記を読みながら、ふと己の生き方をせせら笑いました。
ISBN:408747724X 文庫 みうら じゅん 集英社 2004/07 ¥580

思わずツッコミたくなる珍祭・奇祭が大集結。尻振り祭り、うじ虫祭りなど、日本各地で今も脈々と息づくとんまな祭り=「とんまつり」をみうらじゅんが突撃レポート! 文庫化にあたり、各祭りのデータがさらに充実。


以前何かのトーク番組のゲストでみうらじゅんがこの本について語っていたんだけど、もうね、ドン引き。
司会はもう興味が全然ない「へぇ〜 、すごいですねぇ」という乾いた返答だけで、氏が熱く語ってるというのに周囲も「こいつこんなことに熱くなったりして変人だなぁ・・・」という空気。
もったいないよねぇ・・・レアなとんまつりのプロモまで放送したのに空気が冷え冷えで。
深夜の空気をも冷えさせる男。みうらじゅん。私は大好きです。

この本が面白くって面白くって、うっかり電車乗り過ごしたくらいに、ざっくり読みふけってしまった。
私の日本の祭りのイメージといえば、露店の並ぶ中の盆踊りや、堅苦しい儀式。
日本では「性」に関してってすごく閉鎖的なイメージでむしろ神社仏閣関係では男性器を祭っている神社の話も聞いたことはあるけれど、それは本当特殊であって包み隠すこと日本の礼節なんだと思ってた!
(正確には『朱子学』が江戸時代に伝わって性に対して禁欲的なイメージを植えつけたのですが)
あ、勿論そういう「慎み」を重んじた考えが一般的なのですが、今回この本でとりあげられてる祭りは本当強烈。
まさに江戸ですよ。サイケでとんま。
エロ祭りだけでなくカエルが跳ねたり、じいさんが顔をピカソみたいに塗りたくって大笑いするだけの祭りとか。

もうねぇ。一番衝撃的なのが奈良県の「おんだ祭り」!ひっくり返ったよ!
どこの国?どこの国の祭りなの!?こんな開けっぴろげなエロは!
祭りの内容をここに書くのもはばかられそうだし、アダルトカテゴリとかにお引越しせねばならないので気になる方は下のちっちゃいURLへ。

注)本当覚悟しないとドン引きしますよ
http://www.sugikoto.com/ondafs2.htm
ISBN:B0009PLA2I − メディアファクトリー 2005/06/06 ¥450

今回の特集:『文学賞で一花!』
作家になるためのハウツー。そして審査員の本音インタビュー。
辞めてください〜。
単純な性格なので、こういうの見ると結構前のめりになって自分が印税生活で安野モヨコみたいに綺麗にしてるところとか、妄想してニヤニヤします。
しまいには、アイディアが出なくて苦しくて悶々としているところ、毎日ボサボサの髪でパジャマ代わりのジャージでタカタカ泣きながらPC打ってるところまで想像しちゃってます。

ここを初めて1年半くらい。
未だに方向性が定まらず、文章も安定せず、素敵な文章をみれば、すぐ影響され
もうなんだかイイモノに寄りかかってるだけのブログです。身の程知ります。(陳謝)

あーもう降参だね。ミリさん。トヨタさん私も降参です。
今回のも切なかったよ!
「これから会うから悲しい。」
一度会ってしまうと次また会える日まで一人で悶々と暮らさなければいけないから、会うのが悲しい。
会う少し前がいい。
というお話。毎回悶絶してしまう。

★読みたい本リスト★

・はじめてだったころ/たかぎなおこ
・手をつないで眠ろう。/竹本聖
・チャット隠れ鬼/山口雅也
・難波ドライ本/もりもと崇
・愛がなくても喰ってゆけます/よしながふみ
・あなたとどこかへ/いろいろ
・ぼくが愛したゴウスト/打海文三
・パレット/前川麻子
・くうねるところすむところ/平安寿子
・はじめてのチョークアート/栗田貴子
・素顔のイラストレーター
・普通の人が書いた本/カノ
・ゴロ寝ダイエット/芦原紀昭
・美人革命/さかもと未明
・少年文芸
・明日もし彼と彼女がストーカーになったら/田中宏昌

東京物語

2005年6月7日 読書
ISBN:408747738X 文庫 奥田 英朗 集英社 2004/09 ¥650

1978年4月、親の反対を押し切って上京した久雄は、バブル期を迎えた80年代の東京で、戸惑いながらも少しずつ大人になっていく。眩しくて懐かしい、青春グラフィティ。


空中ブランコやインザプールはエンタテイメントな小説だった。
この小説は1978〜1989年までの時代の流れの中で主人公の彼がたんたんと、どこにでもあるような、でも自分にとってはとってもドラマな毎日を過ごした「文学小説」である。

この小説の時代、自分自身まだ子供で、時代の流れが見えていなかった。
知識としてキャンディーズの解散やジョン・レノンの死を知っているけれど、例えばそれがどれだけ日本に影響を及ぼしたかなんてわかりっこない。その頃大人が何を感じて、何を暮らしていたかはもっと判らない。
同じ時代を過ごして、同じ空気を味わった人のみの得られる甘美な話って気もする。

例えばあと何十年後か、オウム事件や9.11事件などの話を絡めたOLの日常の話が出たならばきっと私はむさぼるように読んでしまうんだろうなぁと思う。

世相と自分の感情って結構直結なのは私だけかな?
テレビなどで昔の事件などの映像をみると、そのニュースを誰と一緒にどんな会話をしていたか思い出す。
実際「自分が誰かと話したこと」と「事件がおきたこと」は同じ時系列なのだけど、どこか自分の思い出のほうが最近に感じたり、または遠くに思ったり。
そんな自分の歴史のズレをも楽しめる本なのかもしれない。
ISBN:4479770720 単行本 亀山 早苗 大和書房 2004/12/21 ¥1,470

おとな処女、セカンドバージン、セックスレス……。
しない私はヘンですか?

今、雑誌やテレビに取り上げられるのは、「不特定多数の異性と、いとも簡単に寝てしまう女性たち」ばかりだ。
誰もが簡単にセックスし、誰もが「めくるめく」快感を得ているかのように言われている。だが、実際には「していない」女たちも多くいて、彼女たちの声が聞こえてこないだけなのではないだろうか。
時代が移り変わって、いつの間にか、「セックスすることはいいことだ」という風潮になっている。だからこそ、「していない」女たちの声は聞こえてこない。彼女たちの葛藤や迷いもまた、現代の女性たちの大きな流れのはずなのに―。


う・・・うーん・・・・
色々考えた。
例に漏れず私は「しない女」なのだから。自分の参加しない「エロ」という媒体には好奇心があるんだけれどね。
いざ己が当事者となるとまるで興味がないのだ。
多分この本を手に取ったというのはやはり「これじゃいかんよ!」と自分自身が思ったり、誰かに「そのままでもいいよ」とか言って欲しかったり。
昔、誰かが言っていた。
「人の欲というのは一定量で、それをいかに分配しているかだけだ。君は他の部分に欲を使ってしまってるだけなんだよ。」
なんとなくホッとした。
これ・・・でもいいのか??と。

私が嫌いになった理由は色々ここでは書ききれないし、露呈するには勇気が足りないのであえてかかないけれど、
セックスというコミュニケーションは確かに男女を結びつける働きがあるのだと。それは快楽や性欲だけではなく、生きていく力やエネルギーの源となりえるんだなぁと思った。
だからといって、今日から鼻息荒く「さぁ!やるかっ!」という気にはならないのだけれど
自分だけじゃなくて同じ悩みを抱えてる人が色々赤裸々に語ってるというだけで気が楽になる。そんな一冊。
そしてその壁を乗り越えるのは すごーく簡単。
自分の壁をエイッと乗り越えてしまうだけ。魅力的な男性の手を借りてね。

空中ブランコ

2005年6月3日 読書
ISBN:4163228705 単行本 奥田 英朗 文藝春秋 2004/04/24 ¥1,300

人間不信のサーカス団員、尖端恐怖症のやくざ、ノーコン病のプロ野球選手。困り果てた末に病院を訪ねてみれば…。「イン・ザ・プール」から2年、トンデモ精神科医・伊良部が再び暴れ出す!


いやはや先週のドラマ「空中ブランコ」は面白かった!
タイミングほぼ同時に本も読むことが出来たので、面白さ倍増。
しかし堺さん久々にみたなぁ・・・無駄にいい声だったなぁ・・・

ドラマはやはり伊良部がかっこよすぎるんだよねぇ・・・
一生懸命、「おかしくみせたイケメン」ってのが抜けない。やっぱり元モデル。
ブランドのスーツ着てしまうと、すごいセンスのものなのだけれど何となくはまってしまう。あれ?それほど変じゃないよ?と。
特に空中ブランコというネタは彼が太ってるから滑稽なのであって、スラッとした人がやっても全然そのすごさが伝わってこない。

伊良部先生の魅力は馬鹿なんだか名医なんだかわからないけれど、結果的に患者を癒してしまうところにあって、ドラマだけ見てしまうと「名医なことを隠してわざと馬鹿なふりをしている医者」といった雰囲気に近いんだよなぁ・・・
今度どうでしょ?ワハハの佐藤さんかなんかでドラマ化。深夜枠で。映画の松尾さんもいいんだけど、マユミちゃんは釈由美子がいい!あのガーダベルト!たまりませんでしたよー!

本の方ですが、インザ・プールのように「あぁ・・・こういう人いるかも・・・むしろわたしも明日から同じようなことで悩んじゃいそう」といった、例えば誰かに追われてる被害妄想や火事が怖いために何度も何度も火の元を確認してしまう人ではなくて、いやぁ・・・これは特殊すぎてありえないよ??すごいピンポイントな心の病気だだよね。空中ブランコのほうは。

でもやっぱり常識を逸脱した伊良部の行動にハラハラしまくり、そして笑いながら癒される。
ほんと奥田先生、また書いてくださいな!
ISBN:4309016839 単行本 白岩 玄 河出書房新社 2004/11/20 ¥1,050

舞台は教室。イジメられっ子転校生(キモチ悪いほどおどおどしたデブ)を人気者に!


イケメン作家。白岩玄。あーかっこいいなぁ・・・
と毎日そのようなことをいっていると、とても頭が弱そうですね。実際強くもないですが。
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20041214bk04.htm

なんだろうねぇ・・・学生時代って学校とその学校にいる人がすべてで
体は大人なのですごく自分では見えているつもりだけれど、今から考えるとほんと視野が狭い。
もう真正面ほんの5度くらいよ!その世界!って学生時代の私に耳元で囁きたい。
学校での評価なんてほんの3年のことなのだから、そこで他者から嫌われたとしても何とでもなるのに必死になる。
私の高校時代と違って今は相手の家族を介さず、直で本人に連絡をとることができる。それも24時間ね。
その安易に結べる人間関係が逆に想像力を育てず、脆いものになっているのかなぁ。
大袈裟かもしれないけれどね。
だからどんどん画一的になってきて、それから外れたものは、その生活のすべてである世界(学校)で上手く暮らしていけないので敗者になり引きこもるしかない。
上滑りだけでも暮らしていけるなら、それに越したことはないのだ。
何度もいうけれど学校なんて人生の中でほんの小さな部分のことなのにね。

私は主人公の修二がすごく好きだ。
可愛いと思う。
これは私のいけない癖であり、止められない好奇心でもあるんだけれどね。
本心を言わずに上滑りしてる人って見ればわかる。
人を一定以上、傍によせつけないし妙に饒舌で世渡り上手。
こういう人の文中でいうならば「ぬいぐるみ」の皮を剥がしたい。
失望することも多いけれど人っていいじゃない?いいってこと教えてあげたいじゃない?
なんだろう?救ってあげたいわけじゃなくて・・・うん。そう、愛してあげたくなるのだ。いっぱいの気持ちで。

あぶない探偵

2005年6月1日 読書
ISBN:4812419670 単行本 探偵ファイル編集部 竹書房 2004/12 ¥980

ちょっと見てって!読んでって!!絶対おもしろいから。驚異のアクセス数で巷を賑わすホームページ、「探偵ファイル」。え?ご存じない?一度見たらヤミツキの抱腹絶倒サイト。アナタのも知ってもらいたいから…。本にしてみちゃいマシタ!!!


ネット関係の本は結構品薄なのですが、近所の図書館探偵ファイルのものは超充実。
POPOIも出来たらおいてください〜(心の声)

彼らは日本のジャッカスだね。(ジャッカスについては後日レビューします)
テレビなら出来ないであろうギリギリの路線でチャレンジしていく様はまるで馬鹿!!
個人のサイトならば資金投じて、ここまで読者を喜ばせようなんて思わないもの。

そんな危ない探偵 ちょっと好みの山木さんのインタビューを見つけました
私が一番好きだった企画。アキバファッションの回が一番辛かったそうです。
http://allabout.co.jp/computer/comicalsite/closeup/CU20020531A/

念のため・・・エログロきついですので、そういうのお嫌いな方には向かないかと・・・
ISBN:4063375250 コミック くぼた 尚子 講談社 2003/06/13 ¥600

今日のお散歩、どこ行くの?

大自然でも、街の中でも、ポチのためならなんのその。
いつもシアワセなくぼた家です。


3巻まで買いっぱなしにしてあと放置。
忘れてたわけじゃないんだけれど、たまたま連載のほうを読んでしまった時知ったことは、ポチはもう老犬。
まだまだ子犬の気持ちいっぱいだったけれどやがて必ず訪れる最期の瞬間を知りたくなかった。

今日のブログを書くにあたって検索してみたところ、ポチは去年の夏、永眠したそうです。
きっとこの漫画が「ポチ」が存在したということをいつまでも証明してくれるね。
ポチは今天国でバンブルボールをブルブルいわせてるんだろうなぁ・・・

面白おかしいワンコとの生活。
いつまでも、この本を読むことは私の代償行為。そして、私の就寝前のお供です。

となり町戦争

2005年5月30日 読書
ISBN:4087747409 単行本 三崎 亜記 集英社 2004/12 ¥1,470

ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。だが変わらぬ日常に、僕は戦時下の実感が持てないまま。それでも“見えない”戦争は着実に進んでいた。


この本を読んで最初から最後まで思ったことは「違和感」
この現代に戦争。しかもお隣の町と。自分の知らないところでたくさん人が死んで何かが動いていく。
回覧板や冊子で紹介されたとしても、感じない。何も感じない。

この作品テーマはよくわからないけれど、最後まで私も主人公同様違和感だけを感じた。
日本という国が平和ボケしているせいなのかな?
今、国外で色々なことが緊迫している。だけれど私たちにとってはブラウン管の中での出来事だ。
9.11のときも大勢の人が「ブラウン管かスクリーンをみているようだ」と答えた。
実際自分が危険に直面したとき、なんとなく視界が霞んでぼんやりした。
イタリアに行ったとき機関銃を持った軍が空港にいた。
あの機関銃を引けば私はここで終わりなんだ。もう何もかもサヨナラなんだ。
と自分で恐怖感を煽ろうとしたけれど、何も感じなかった。だって目の前に変なフィルターがかかって見えるんだもの。

むしろ本気で戦争をやっている彼等が滑稽に見える。
そんなブラックでシニカルな本だったな・・・
ISBN:4091874320 コミック 浦沢 直樹 小学館 2005/04/26 ¥550

人間の痕跡がない殺人事件、残された謎のメッセージ…その先にあるものとは!? 漫画界の2大巨匠がタッグを組んだ、近未来SFサスペンス!!
ついに第3の殺人事件が起こった!! 刑事ゲジヒトは、世界に数体しかいないロボットの仕業ではないかと調査を進めるが…。アトムの登場でさらに物語は進んでいく!!


浦沢直樹の中でも私がぶっちぎり大好きなのは「マスターキートン」です。
普段温和な彼は元SAS。すごい能力と経験を生かして色々な事件を発揮していく。
これは単純なアクションストーリーだけでなく、人間ドラマが大きく、毎回毎回の主人公がとても悲しい。
漫画もよかったけれどアニメもよかったんだよねぇ。

この漫画マスターキートンが絶版になるそうです。
理由はありがちな原作者との版権問題ということらしいですが、実はというとこの漫画は原作者は名前が入っていますが実質ほとんど原作をすることがなかったようなんです。これだけ本が名作にもなれば大金も入ってくるだろうし揉める原因にもなるよなぁ・・・私自身が作者でもきっと名ばかりの原作者にパーセンテージが振られるのは納得いかないと思うし。
ということで、「絶版」らしく次々と本屋から姿を消しているようです。
これは悲しい。
この漫画の世界観はハリウッド映画にも引けをとらないし、「漫画」というくくりだけでなく日本が世界に誇れる文化であり文学だとも思うんですよねぇ・・・

*詳細はこちらをみていただければわかるかと。
http://www.narinari.com/Nd/2005054455.html

*こちらが有志によるマスターキートン復刊活動
http://triplebridge.hp.infoseek.co.jp/fukkan.html

今回のプルート2巻。
解き明かされる事件、広がる謎。もう大人なのに引き込まれっぱなし。
なんといっても1巻の巻末に出たアトム。
私の知っている天真爛漫なアトムじゃなくて、憂いを秘めた普通の子供の姿。
もうこの憂い方が半端じゃなくて、まるでAIのハーレイ・ジョエル・オスメント君じゃないか!
アイスを食べておいしがったり、人間の子供が使ってるおもちゃを羨ましがるシーンよかったねぇ。
トラキア合衆国のくだりは、少し前のアメリカとイラクをもじってるのかなぁ??

私だけですか?後書きの手塚治の息子の発言に何となく違和感を持ってしまったのは・・・
偉大なのは父であって、貴方じゃないのに・・・とちょっとムカッ。

こっこさん

2005年5月23日 読書
ISBN:4776791277 コミック こうの 史代 宙出版 2005/02/10 ¥760

今年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞作家・こうの史代が贈る待望の最新刊。
小学生の“やよい”が、ある日の帰り道で出会ったのはにわとりの“こっこさん”。
こっこさんとのとの毎日はとっても楽しくてとってもこわい!?
一人と一羽のなんてことない幸せな日々を描いた今年一番のスローライフコミック!!


この本、本屋であったとき呼ばれたんです。
しかし全く中身の知らない本を買うのも何かなぁと放置。
2度目、別の本屋でも呼ばれる。
うーん・・・・悩む。
はたまた別の本屋で購入しようとしたときには既に在庫切れ。
ここで私の心に火をつけました。
やっきになって探してみつけたこの一冊。
しかし某書店の店員さま、「宙出版です」といったら大声で「あぁ!耽美の奴ね!男の子の!」とかいわないでください!

そんな風にしてゲットしたこの本。
正直・・・ここまで頑張るほどではなかった・・・・

雄鶏のイメージはもうヒヨちゃんなので、なんだか面白おかしい話を期待しすぎた。
スローライフコミックとはよくいったもので、ゆったりした時間の流れの中での凶暴な鶏との格闘する日々。

今頃気づいたんですが、これ「夕凪の街 桜の国」と同じ作者なんですねぇ。未読ですが。
お友達の皆様。
この本読みたい方進呈します。先着1名。
ISBN:4840111928 単行本 藤野 美奈子 メディアファクトリー 2005/01 ¥998

「つらい失恋の話は、かつてつらい失恋をした人にしかわかってもらえない」。名言続出の、笑って泣けて、じーんとしての名コミックエッセイ。たまにはハズレの恋もありますって。


失礼ながら絵が・・・あまりお上手じゃないので買うの躊躇ってましたがすごい面白い!
あーそうそう女ってこういうバカな失敗犯すんだよ〜とゲラゲラ笑いましたがきっと私も同じだった。orz

でもねー目からウロコなんだよね。
私は作者みなっちと同じく、「出すところも出さない」派なんだけれど、合コンとかで上手に男性に甘えてミニスカを履いてくる子って絶対に得をする。でもさーミニスカで引っ掛かる男はどうなのよ?っとみなっち派の私も思うのね。
でも出すとこ出して女子らしさを演出することも時には大切。綺麗なものなら出そうよ!と。
みなっちの母はいつも冷静で、でも現実的。
そういうとこで人を出し抜いて男子をゲットすることこそ大切だと諭し、みなっちに何故できないの?と問い詰める。
そう・・・きっぱり開き直られるとみなっち派は、尻すぼみです。
上手に甘えられたもの勝ちだよなぁ・・・やっぱ。きっと一生私に出来ない芸当だけどさ・・・
これがいわゆる私と友人達との間でいわれている「女子力」というやつなんですわな。

しかしみなっちの弟を騙したアコの話はね。女ならニヤリと笑います。
是非見かけたら立ち読みでもしてください。
私はこの本の感想を誰かと非常に共用したい!

エピローグのようにある色々な女性の失恋からの立ち直り方がいい。
花が綺麗だったり、何かをみてすごいと思う気持ちが心の隙間を綺麗に埋める。
うん。(もう勘弁だけど)失恋って確実に女性を大きくするね。
ISBN:B0009G0SAW − メディアファクトリー 2005/05/06 ¥450

すっかりチェックするの忘れてた!!

書いてみるものです。
以前のダヴィンチレビューで自分の備忘録のつもりだったのですが、読みたい本リストの中でトヨタエリさんの「ラブホテル」という写真&短歌集を載せておいたところ、トヨタさん本人から「読んでください!」というメールを頂きました。
トヨタさーん。ここみてくれてますかー。
読みますよ〜読みますとも。

「ただ君に愛されたいというだけで こんなことまでできてしまった」

彼女の短歌を一つ読むたびに ズラーーーっと自分の恋の思い出を思い出す。
そんな彼女の歌です。
数日前にも書いたけれど、情緒不安定なせいか、ガラにもなく恋愛ものにしっとりきてしまう。
今月のミリさんの話もよかったなぁ・・・
なんかこう素直に思ってることを口に出せない気持ちってたまらなくイガイガして苦しいよね。

★読みたい本リスト★

劫尽童女/恩田陸
現実入門/穂村弘
ウンココロ/寄籐文平
酩酊混乱紀行「恐怖の報酬」日記/恩田陸
ベジタブルハイツ物語/藤野千夜
オンナ部/泉木蓮
恋するように旅をして/角田光代
昨日生まれた切ない恋は/益田ミリ
マダム小林の優雅な生活/小林聡美
逃亡くそたわけ/糸山秋子
杉田/杉田かおる
泣かない女はいない/長嶋有
へたれ/吉永マサユキ
かわいいおんなの創り方/寺門琢己
女はこうしてつくられる/甘糟りり子



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